ムーヴキャンバスは、ダイハツの軽自動車の中でもおしゃれなデザインで人気があります。
カタログやネット記事には燃費などの情報もあり、新車や中古車の購入を検討中の方も多いのではないでしょうか。慎重なクルマ選びをするなら、デザインだけでなく燃費や運転しやすさのチェックは重要です。
この記事ではムーヴキャンバスについての疑問を解決できる情報をまとめています。タントとの比較もぜひ参考にしてみてください。
ダイハツのムーヴキャンバスとは
ムーヴキャンバスは、デザインと便利さにこだわり、両側スライドドアを備えたハイトワゴンです。
デザインのコンセプトは、乗る人がリラックスできるシンプルさを重視しながら愛着のわくクルマ。
ナチュラルで丸みをおびたシルエットや、個性を表現できる愛着のわく仕掛けが用意されています。愛着のわく仕掛けとは、たとえば以下のような工夫です。
- 丸くてかわいらしいランプ
- ボディカラーの多彩なバリエーション
- 華やかさもプラスできるメッキパーツ
- ボディカラーに合うホイールキャップのバリエーション
- シートクロスにはかわいいキャラクターデザインも用意
このような特徴を備え、流れるようなボディラインでアクティブな要素を加えるというように、デザインはおもに女性をターゲットに考案され、2016年9月の発売から女性の人気を集めました。
その後、2018年に「ブラックインテリアリミテッド」が追加されると、かわいいだけではない魅力がプラスされ、男性も注目。
2019年にボディカラーにもブラックのアクセントがきわだつモデル「ブラックアクセントリミテッドSAⅢ」が追加されてからは、男女を問わず自分好みのクルマになる点がおしゃれで人気を集めています。
燃費にはカタログ燃費と実燃費がある!
メーカーのカタログを見ていると、疑問に感じることがあるカタログ燃費。カタログ燃費と実燃費とはどのような点に違いがあり、なぜ差が生まれるのかを知っておきましょう。
カタログ燃費と実燃費の違い
“カタログ燃費”とは、平坦でカーブのないまっすぐな道の走行を想定。
渋滞もなく、エアコンやライトも使用しない状態で走ったときの燃費のデータで、試験の方法は国によって定められています。
一方、”実燃費”とは「実際の燃費」のこと。
カタログ燃費(JC08モードの場合)と比較すると、日本の全車平均で約2~3割は低くなることが一般的です。
しかし同じ車種でも多くの実燃費データを集めると、カタログ燃費よりも高くなる場合もあれば、逆に3割以上低くなる場合もあるというように、個々のケースによってかなり違いがあります。
カタログ燃費と実燃費に差がつく理由
カタログ燃費と実燃費との間で差が生じる理由には、
- 運転のしかた
- 電装品(エアコン・ライト・ワイパーなど)
- クルマの利用環境
などの違いが挙げられます。
影響を与える度合いでみると、
- 運転のしかた : 約5割
- 電装品 : 約3割
- 利用環境 : 約2割
このように運転のしかたによる影響がほぼ半分を占めていることは、個人差が生じやすい理由です。
差がつきやすい具体的な要因には、季節・坂道・雪道・速度・アクセル・1回の走行距離などもあります。
夏や冬はエアコンの使用が増えるため燃費に影響。また急な坂道では燃料消費が平地の約2倍になります。
速度においては平均時速60~70km程度が最も燃費がよく、渋滞や信号での停止が多いと燃費も悪くなる傾向です。
1回の走行距離は短距離よりも長距離のほうが燃費はよくなるように、実際の走行ではさまざまな要因がともなうため、カタログ燃費と実燃費は両方ともチェックしましょう。
カタログ燃費のJC08モードとWLTCモードの違い
カタログには、JC08モードとWLTCモードという2つの試験方法による燃費が記載されています。
ムーヴキャンバスの燃費を他の車種と比較してみる場合は、同じモードの数値を比較しましょう。それぞれの試験方法の違いについて、詳しく解説します。
JC08モード
燃費の試験方法であるJC08(ジェイシーゼロハチ)モードは、日本独自の試験方法です。
それ以前に使用されてきた「10.15モード」に代わる方式として、2007年7月からカタログへの併記が開始され、2011年4月からは全面的にJC08モード表示に切り替えられました。
走行距離8.17km、平均時速24.41km、最高時速81.6kmで測定。
実際の走行パターンに近づけるために細かい速度変化をつけた設定で、エンジンが冷えた状態からスタートするコールドスタートの試験比率は25%です。
JC08モード
●日本独自の試験方法
●走行距離8.17km・平均時速24.41km・最高時速81.6kmで測定
●コールドスタートの試験比率は25%
WLTCモード
WLTCモードは国際的な試験方法です。
市街地モード・郊外モード・高速道路モードといった3つの走行モードがあり、平均的な時間配分で設定されています。
カタログにはそれぞれの走行モードごとの燃費が表示されるので、JC08モードよりも実際の使用状態に合わせて比較しやすいことが特徴です。
市街地モードは信号での停止や渋滞を想定した低速走行。郊外モードでは信号や渋滞が少ないことを想定しています。
走行距離15.01km、平均時速36.57km、最高時速97.4kmで測定され、コールドスタートの比率が100%であることもJC08モードとの大きな違いです。
WLTCモード
●国際的な試験方法
●市街地モード・郊外モード・高速道路モードの3つの走行モード
●走行距離15.01km・平均時速36.57km・最高時速97.4kmで測定
●コールドスタートの比率が100%
●JC08モードよりも実際の使用状態に合わせて比較しやすい
ムーヴキャンバスの燃費や走行性能は?
ムーヴキャンバスには、スムーズな加速を実現するパワフルなTOPAZ NEO(トパーズ ネオ)エンジンが搭載されています。
低燃費という点では、省エネ法で定められている2030年度燃費基準の70%を達成。
それではムーヴキャンバスのカタログ燃費と、ユーザーの口コミによる実燃費をみていきましょう。
ムーヴキャンバスのカタログ燃費
ムーヴキャンバスのカタログ燃費は以下の表のとおりです。

燃費は、ガソリン1リットルで走行可能な距離です。数字が大きいほど長い距離を走行できることを意味しているため、燃費がいいと判断できます。
2WD車と4WD車との比較では、燃費がいいのは2WD車です。
初めてクルマを選ぶ方のために、ここで2WDと4WDの違いを確認しておきましょう。
2WD
4つのタイヤのうちエンジンの力で回転するタイヤが2つある車。
2WDには2種類あり、前の2つのタイヤを駆動するFFと、後ろの2つのタイヤを回転させるFRがあります。
ムーヴキャンバスの2WD車は前のタイヤを回転させるFFです。
4WD
4つのタイヤすべてがエンジンの力で回転するクルマです。
積雪が多い地方や急な山道などの走行に向いていて、すべりやすい道での発進や加速性能が高く、高速走行も安定。
しかし4WDは総重量が重くなるため、2WDより燃費は少し下がります。
どのような走行シーンが多くなるかを考慮したうえで2WDと4WDのいずれかを選び、燃費をチェックしましょう。
ムーヴキャンバスの実燃費
クルマの口コミ情報が集まるみんカラのまとめによれば、ムーヴキャンバスの実燃費は16~18km/L程度という結果が多くなっています。
これは、カタログに記載されているWLTCモードの市街地モード測定値に近い数値です。
月別の平均燃費では、年間で最も燃費が低くなるのが2月で約15km/L。
一方、比較的燃費がいい月は5月、10月、11月で約17km/Lとなっています。
冬の寒さが厳しい時期は、エアコンの暖房の使い方が燃費に影響するため、燃費の節約にはエアコン設定温度の調整などによる工夫が必要です。
ムーヴキャンバスの乗り心地は?
運転のしやすさや快適な乗り心地も重視されているムーヴキャンバス。デザインのコンセプトである「愛着のわく仕掛け」もたくさんあります。
運転しやすい仕様は女性にもうれしいポイント
ムーヴキャンバスは運転しやすい仕様であることが特徴となっています。たとえば、以下のようなポイントです。
- 夜間でも見やすいランプ
- 最小回転半径4m
- 衝突回避支援システムのスマートアシストⅢ搭載
- シートやステアリングのポジション調整
- メーターのエコドライブアシスト照明
- パノラマモニター
●最小回転半径の4.4mは、小回りがきくことを意味しています。一般的に4.5m以下なら小回りがきくクルマといわれ、狭いスペースでの駐車のように神経を使う場面でもスムーズな操作が可能です。
●衝突回避支援システムのスマートアシストⅢは、予防安全機能としてムーヴキャンバスの全グレードに装備されています。
衝突回避のための機能だけでなく、夜道ではヘッドライトのハイビームとロービームが自動で切り替わったり、接触を防ぐために前や後ろのコーナーセンサーが作動したりする機能も便利です。
●パノラマモニターは、前後左右の見えづらい部分の映像がカーナビの画面でチェックできる機能。
幅寄せでのサイドの確認や、駐車のときの後方の確認などの際にたいへん役立ちます。
なお、G “SA Ⅲ”とX “SA Ⅲ”では、対応純正ナビ装着用アップグレードパックがメーカーオプションであり、パノラマモニターを付けたい場合は新車のオーダー時点で注文に入れておく必要があります。
乗り心地のよさをアップする工夫
ムーヴキャンバスは、車内空間やインテリアにドライブ中の快適さを追求した仕掛けが多いことも特徴です。
ここではその一部をご紹介します。
- スライドドアと置きラクボックスで荷物の積み込みがラクに
- スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)
- スーパークリーンエアフィルター
- ポケットなどの収納の多さ
- 荷物に合わせたシートアレンジ
●スライドドアは左右両側に採用されているので、駐車場の限られたスペースでも、荷物の積み込みで隣のクルマや壁を気にする必要がありません。
●置きラクボックスは、後部座席の下から引き出して使える収納で、X “SA Ⅲ”以外の全グレードに標準装備されています。
●ドライブ中の日焼けが気になる方にはUVカットガラスはうれしいポイント。
赤外線(IR)もカットする機能があるので、日射による車内温度の急激な上昇を抑えます。
ムーヴキャンバスとタントを比較
軽自動車人気ランキング上位のタントをムーヴキャンバスと比較して、以下の一覧表にまとめてみました。いずれも2WDで比較しています。(ムーヴキャンバス:G“メイクアップリミテッドSA Ⅲ”)

サイズの比較では、ムーヴキャンバスよりもタントのほうが100mm(10cm)ほど車高が高く、室内の高さも95mm(9.5cm)高いので、タントは広く感じられます。
燃費は実際の燃費に近い測定値とされるWLTCモードで比較すると、タントのほうがわずかながら燃費がいい数値になっています。
しかし実燃費は個々の運転の影響を受けるため、カタログ燃費での少々の違いはあまり気にするほどではないでしょう。

スマートアシストのバージョンの違い
ムーヴキャンバスが装備している予防安全機能のスマートアシストⅢと、タントが装備しているスマートアシストは、機能の内容に違いがあります。
ムーヴキャンバスの全グレードに装備しているスマートアシストⅢに含まれるおもな機能は以下のとおりです。
【スマートアシストⅢ】の主な機能
- 衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)
- 衝突警報機能(対車両・対歩行者)
- 車線逸脱警報機能
- 誤発進抑制制御機能(前方・後方)
- 先行車発進お知らせ機能
- オートハイビーム
一覧表で比較したタントXに装備しているスマートアシストは「次世代スマートアシスト」と呼ばれ、以下のような機能を備えています。
【次世代スマートアシスト】の主な機能
- 衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)
- 衝突警報機能(対車両・対歩行者)
- ブレーキ制御付誤発進抑制機能 (前方・後方)
- 車線逸脱抑制制御機能
- 車線逸脱警報機能
- 路側逸脱警報機能
- ふらつき警報
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)
- AHB(オートハイビーム)
- サイドビューランプ
- コーナーセンサー(フロント2個/リヤ2個)
ここで比較した項目以外にも、ムーヴキャンバスとタントの外観やインテリアなどの違いを比較して、使い勝手の良さや好みに合うかどうかなどの検討をしてみてください。
今回はダイハツのタントを取り上げましたが、他のメーカーの車種では、ホンダ N-BOX、スズキ スペーシアなどとも比較してみましょう。
日産やトヨタの軽自動車はOEMであることを知ると、軽自動車市場のシェアが見えてきます。
実燃費をよくするための注意点とエコドライブ
燃費は、いくつかのポイントに留意するだけで節約も可能です。
ここでは、ぜひ知っておいていただきたい燃費を改善するための注意点やエコドライブについて解説します。
燃費を改善するための3つの注意点
注意点① タイヤの空気圧
タイヤの空気圧が下がると、燃費が悪化するといわれています。
ガソリンスタンドに給油に行ったときなど、タイヤの空気圧を正しく調整しましょう。
車両指定空気圧は、運転席のドア付近のほか、給油口などに空気圧表示のシールが貼られているので確認できます。
注意点② クルマの重量
重量が重くなることによって、燃費は下がってしまいます。
たとえば、休日に使用したゴルフクラブのフルセットやアウトドアレジャーの道具など重さのある荷物を載せたままにせず、クルマから降ろしましょう。
注意点③ 空気抵抗
クルマの屋根の上にルーフボックスやルーフキャリアなどを載せておくと、重量が増えるだけでなく走行時の空気抵抗も受けて燃費に影響。
使用後は屋根の上に載せたままにせず、クルマから降ろしておくほうが燃費は改善します。
エコドライブで心がけたい10のアクション
エコドライブとは、ガソリン消費やCO2排出を減らして地球にやさしいエコな運転方法のことです。ここでは、エコドライブのポイント10項目を紹介します。
エコドライブのポイント10
- アクセルの踏み方はふんわりと
- 速度変化の少ない運転
- アクセルから足を離し、エンジンブレーキを活用
- エアコンを適切に調整
- 無駄なアイドリングをやめる
- 渋滞を避ける
- タイヤの空気圧チェック
- 不要な荷物はクルマから降ろす
- 迷惑駐車をしない
- 燃費の把握
アクセルの踏み方は燃費が改善しやすいポイントです。
アクセルの踏み方をやさしくするだけで燃費が節約できるため、急発進や急加速などアクセルの強い踏み込みを繰り返さないように注意しましょう。
また、エンジンブレーキを上手に活用することでも燃費は改善できます。
交差点の赤信号で止まることがわかったときは、前もってアクセルから足を離してエンジンブレーキで減速するように心がけましょう。
そのほか、減速や下り坂でもエンジンブレーキを上手に使ってできるだけ燃費を抑えてみてください。
まとめ:ムーヴキャンバスはデザイン性と燃費など総合的に検討を
ムーヴキャンバスはおしゃれなデザインが魅力。
カラーも豊富で自分好みのクルマにしたい方にはおすすめです。
しかし購入を検討の際は、カタログやネット検索などでチェックしながら、燃費や乗り心地のよさ、使い勝手などを総合的に検証してみることも重要になります。
初めてクルマを購入する方も、今のクルマの車検が残っているうちに買取に出して買い替えようと考えている方も、満足して納得できるクルマ選びをしてくださいね。
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